上野村ヘリコプター墜落事故(過去の痛みVol.3)
2度目の航空機墜落
大自然に囲まれた群馬県上野村の御巣鷹山には1985年、日航機墜落で520名の尊き命が消えている。住民は、その当時を思い出したと話した。今回のヘリコプター墜落事故、川のせせらぐ橋の上に機体が落下し、近隣では地響きがするすさまじい衝撃音がした。
欧州では飛んでいない機体
2017年11月8日墜落した航空機は運送用ヘリコプターAS332L通称スーパーピューマで、過去にノルウェーで同様の墜落事故で13人が亡くなっている。欧州の事故調査委員会ではメインローターに動力を伝えるギアが破損してメインローターの付け根から外れた可能性を示唆している。これを受けて欧州安全庁は同型機の飛行を禁止していた。しかし日本では運航している機体。
フライトレコーダがないのはいいの?
最近は一般の人でも自家用車にドライブレーダをつけており、記録を重視しています。回転翼航空機の場合は最大離陸重量が3,180kgを超えるものはコクピットボイスレコーダーの装着義務がある、最大離陸重量が7,000kgを超えるものはフライトデータレコーダーの搭載を義務づけられている。 今回の墜落したヘリコプターにその義務はなかった。
原因がわからない…でいいの?
橋のアスファルトに墜落した衝撃で、計器類は火災消失しており機体も形は残っていない。目撃情報としては機体後方のテールローターから部品が脱落したのが見えたとの情報があるだけ。それ以外には、その部品の脱落を受けて、機体を予備着陸させるために高度を下げたとの話しもあるが、フライトレコーダやボイスレコーダーがないので原因が特定できない。それでいいのでしょうか???運輸安全委員会にはこの件についての事故報告書は掲載されていない。
運輸安全委員会 https://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/
追記…
その後の調査で、機体を調べると、整備記録から、事故の約2カ月前にボルト外側の部品が粉砕された状態で見つかったことが分かった。しかし会社はその部分を交換しただけで周囲に傷や金属片が残っているかどうかを確認しなかった。この金属片が残っていると周りの部品と固着し、外から加わった力を逃がす機能が働かなくなるという。このことから運輸安全委員会は、2020年4月23日、不適切な整備でボルト外側の部品が周りの部品と固着し、過度な力が加わりボルトが破断したと推定した。
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