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御嶽山噴火(過去の痛みVol.2)

KYODONEWS 御嶽山の山頂付近に設置されたシェルターの写真

御嶽山噴火の写真死火山といわわれた御嶽山

かつて、一部の火山学者と一般大衆が死火山と認識を持っていた御嶽山は1979年の水蒸気爆発で定義を変えました。日本の地質学者である横山又次郎は『地質學教科書』において、火山の定義を活火山、睡眠火山、消火山という語をあてていたり、佐藤伝蔵は『地質學提要』において、活火山、休火山、死火山という分類を用いていたが、どれも非科学的な言葉として、この御嶽山の噴火がきっかけで『死火山』や『休火山』という言葉は使わなくなった。2014年9月27日に噴火した御嶽山は火山性微動が低下し、山の膨張も見受けられなかったこともあり警戒レベルを『1』に下げたことで、大きな被害をもたらした。


亡くなった原因は何か御嶽山の噴石の写真

噴火で亡くなる原因として、火砕流や火山性ガスによるものがありますが、2014年の噴火では、亡くなられたほとんどの方が噴石による『損傷死』です。写真は実際に今回、私たち事務局で、8合目まで登ったときに採取した噴石です。これが初速300キロ、落下時は音速に近い速度で身体を直撃。噴火の規模自体は雲仙普賢岳の400分の1ですが、噴石による被害が大きかった。

御嶽山の噴火の写真問題はなにか?

問題があるとすれば、この山の噴火の兆候は、ほかの山の兆候とは違う傾向があることです。噴火の前兆として、阿蘇山などで観測される特徴的な長周期震動は観測されなかった。しかし、噴火の約11分前と噴火直後の約30分間には火山性微動が観測された。7分前には山体が盛り上がる変位も観測された。まだ、噴火兆候がうまくつかめない山なのです。その意味では2014年の噴火データはAIの解析データとしては『教師データ』になると思いますが、警戒レベルが『1』になったから安心して登頂していいのかというと、そうではないという疑問が残っています。11分前にならないと火山性微動が出なかったのですから…..

4回忌御嶽山慰霊碑

事務局一同、改めまして、噴火でお亡くなりになりました58名の方及び行方不明の5名の方に、心からご冥福をお祈りいたします。事務局メンバーはわたくしも含めて登山素人のため、8合目にて黙祷さていただきました。また王滝村にある慰霊碑の前でも、黙祷をさせていただきました。噴火予知の成果を、しっかりと出すべく、研究の助成活動を続けてまいります。

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